桜の見えかた

こんにちは、技術部Oです。桜の季節がやってきました! (掲載される頃は葉桜?新緑?でしょうか)が二ヶ月前に見た桜の話をします。
2月に「1917命をかけた伝令」という映画を見ました。初めから終わりまで映像が繋がって見えるワンカット風の撮影法が評判で、アカデミー賞でもいくつか賞を受賞しました。

第一次大戦中のとある戦場で、主人公の二人は、前線にいる自軍の攻撃作戦中止の伝令を任されます。勝算があるはずの作戦でしたが実際は、独軍の撤退と見せかけた罠で、作戦続行は返り討ちと前線部隊の全滅を意味しました。猶予は1日、前線には兄もいる。1600人の命を救うため!主人公たちは走り出します。

分かりやすいストーリーラインに2時間続く驚異の映像、これだけで非常に面白い!ですが、この映画の一番のキモは、物語を背負っていない人間が「本当に」走り出す瞬間にあったと思いました。

主人公の一人ブレイクには、前線に兄がいて直ぐにでも伝令を届けたいと強い使命感があります。もう一方の主人公、スコフィールドは自分の意志で作戦に参加したわけではなく、「家族を救う」という物語も持ち合わせていません。そのため伝令任務への温度差があり、戦場にいることについても、どこか諦念を感じさせます。

映画はこの少し冷めたスコフィールドにフォーカス。突きつけられる困難と運命に対峙し、彼の表情は徐々に精悍に、間違いなく使命を帯びた兵士に変化して行きます。そして終盤、体力も気力も尽きかけた頃、彼は桜を目にして奮起します。

桜はブレイクの故郷(家業がさくらんぼ農家)の花で、何とは無しに語るシーンがあります。彼の思いを受け取り困難を乗り越えてきたスコフィールドにとって、何気ない会話だったとは言え、桜は十分すぎる励ましと思いを確かにする花になっていたのでした。再び立ち上がる時、そこに何も持っていない兵士はいません、大切な思いを抱えた人間となって、クライマックスの最後の全力疾走へと繋がっていきます。

話題となったポイント以上に、人間が変化していく様相が面白い映画でした。また、桜の捉え方というのも今になって印象的です。言わずもがな、出会いや別れ、旅立ちであったり、何かの始まりであったりを示すことが多い桜。

一方この映画が示すのは奮起です。桜を見ると昔を思い出して少しセンチ笑になることが大概でしたが、今年は社会の雰囲気もあってか奮い立つ思いになります(できることと言えば手洗いうがいを丁寧にするくらいですが…)桜の見え方が変わった春でした。

写真は映画っぽいアスペクト比(21:9)が使えるカメラsigma fpに、同じくsigmaの45mm F2.8を使用しました。この画角、上下が切れて余計な物が減って、妙な緊張感(特に人物を写す時)が生まれると思うのは私だけでしょうか?

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