ブラッサイのベルクハイル

こんにちは、技術部のKです。

 

今回はドイツの名門・フォクトレンダー社の誇る~高級機ベルクハイルについてお話ししたいと思います。

 

フォクトレンダー社といえば200年以上も前からある計測機器や光学機器の老舗中の老舗であり、世界初の双眼鏡、オペラグラスを発売したことでも有名です。

そのフォクトレンダー社から、初代は1914年に発売されたガラス乾板式のハンドカメラです。(1914年というと何と第一次世界大戦の始まった年です。)

ベルクハイル(Bergheil)という名前の意味はドイツ語で直訳だと「山万歳」という意味です。

フィルムサイズは6×4.5cm(アトム)判、6.5×9cm(大名刺)判、9×12cm(大手札)判、10×15cm(ポストカード)判などがあり、搭載されたレンズも有名なヘリアーを始め、各種、存在します。

高級機だけあって、上下左右のシフトもできる上、パララックス補正のできるスポーツファインダー(ワイヤーフレーム)や水準器まで備えており、その写りもシャープネス、解像感ともに大変、素晴らしいものです。

 

その中でも、今回のカメラは、後年、発売されたベルクハイルデラックスというタイプでレンズが何とバヨネット交換式になっています!(とはいえ、交換レンズが入手できるかは別ですが)

そして、ハンドカメラの名の通り、持ち運びの際には、たたんでしまうと少し大きめのお弁当箱程度のサイズしかありません。

価格も当時は家を買うくらいだったものが、現在は1000分の1くらいで手に入ります。

ただし、実際に使用しようとすると、いわゆるガラス乾板式なので、現在では、その入手はほぼ不可能であり、120ロールフィルムを使用できるようにしたフィルムホルダーが必要となります。

(本当はガラス乾板であれば平面性はフィルムの比較にならないくらい良いのでシャープネスも段違いですしフィルムベースの加水分解も起きないしと良いこと尽くめなのですが、仕方ないですね。)

  

このカメラ自体が素晴らしいのはもちろんですが、私が最も惹かれるのは、かつて、あのブラッサイが写真集「夜のパリ」で使用していたということです。(正確には、どの時代のモデルかはわかりませんが)

自分が憧れた写真や写真家が使用していたカメラで同じように撮影してみるというのはとても楽しいことです。

まあ、そういう理由でローライやハッセルブラッドを始め、様々なカメラを使ってみたり、わざわざ、交換レンズもその当時のものに買い換えてみたりと深みにはまっていくのですが・・・

  

現代のデジタルカメラももちろん良いのですが、フィルムカメラなども味があって良いものです。単純に、道具としてだけではなく「モノ」としての質感も素晴らしいです。

ダイヤルとか目盛りとかの細かさや彫り込み、操作感も良いですよね。

撮影には手間もかかりますが、1カットずつ集中しながら、じっくりというのもとても意味のあることのように思えてなりません。

  

コロナ流行で皆の生活スタイルが大きく変化する中、今一度、スローでいきましょう。(そうは言っても、この時期、夜の街の撮影は慎重にですね。)

 

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